物理学解体新書


β線(ベータ線)

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β線(ベータ線)

β線(ベータ線)とは、β崩壊に伴い、原子核から放射される電子または、陽電子のことで、放射線の一種である。

原子核がβ線とニュートリノ(および反ニュートリノ)を放出して、他の原子核になる現象をβ崩壊という。

電子が放射された場合をβ-線、陽電子が放射されればβ+線という。
β-線、β+線をまとめてβ線というが、単にβ線といった場合、β-線のみを指すことも多い。

なお、原子核崩壊に伴う放射線は、β線を含めて以下の種類がある。

放射線実体発生機構電荷電離作用透過力
α線ヘリウムの原子核α崩壊に伴い、原子核から放射される2大きい極めて弱い紙1枚で遮断できる
β線β-線電子β-崩壊に伴い、原子核から放射される-1やや大きい弱いアルミ箔等の薄い金属で遮断できる
β+線陽電子β+崩壊に伴い、原子核から放射される1
γ波長域10-12[m]以下の電磁波励起状態の原子核から放射される0少ない極めて強い遮断には厚いコンクリートや鉛が必要



β崩壊で放射されるβ-線(高速の電子)、β+線(高速の陽電子)は、原子核から放射される。
電子殻中の電子が起源ではない。

原子核陽子中性子から構成される」と説明される場合が多い。
いったいこの電子原子核のどこにいたのであろうか?

β-線は原子核中の中性子、β+線は陽子から放射されたものなのだ。


β崩壊は、β-線を放射するβ-崩壊とβ+線を放射するβ+崩壊と区分される。

区分放射線原子番号質量数核子の変化
β-崩壊β-線(電子)1つ増える変化しない中性子がβ-線と反ニュートリノを放射し、陽子に変わる。
β-崩壊での核変化
β+崩壊β+線(陽電子)1つ減る変化しない陽子がβ+線とニュートリノを放射し、中性子に変わる。
β+崩壊での核変化

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2005/06/01



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