ケース3:円柱型の物体の場合
mr2が慣性モーメントの基本形であるが、軸の位置や質量の分布、形状によって様々なバリエーションがある。
それは何故か?
慣性モーメントは以下の2ステップで算出する。
ステップ1: 回転体を微少部分に分割し、各微少部分の慣性モーメントを求める。
ステップ2: 各微少部分の慣性モーメントを、すべて合算する。
各微少部分は、それぞれ質点と見なすことができる。
だから、各微少部分の慣性モーメントは、ケース1で求めた質点を回転させた場合の慣性モーメントmr2と同等である。
どのような回転体であっても、微少部分に限定すれば、その部分の慣性モーメントはmr2になるのだ。
「mr2が慣性モーメントの基本形になる」というのは、「mr2」が各微少部分の慣性モーメントであるからにほかならない。
ケース1では、「質点を回転させた場合」という名目で算出したが、実は様々な回転体の各微少部分の慣性モーメントを求めていたのである。
この微少部分の慣性モーメントは、軸からの距離rに応じてそれぞれ異なる。
それらを、すべて積み上げて計算するので、軸の位置や質量の分布、形状により慣性モーメントは様々な形になるのである。
円柱型の物体(半径:R、質量:M、高さh)を回転させる場合で検証してみよう。
この円柱内に、円柱と同心の幅决の薄い円筒を仮想する。
円筒は図中で色の濃い部分だ。
この円筒の質量miは、(円筒の体積) ÷(円柱の体積)×(円柱の質量)で求めることができる。
ここで式を見ると、高さhが入っていないことに気がつく。
円柱の慣性モーメントは、半径と質量によって決まり、高さは無関係なのだ。
高さのない(厚みのない)円盤であっても、同様である。
例えば、下図の慣性モーメントはすべて等しい。
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