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ラザフォードの原子モデルの謎

トムソンによって電子が発見されると、次に原子の構造が議論させるようになった。
電子は負の電荷を持っていることが分かったから、その他の部分が正の電荷を持つことは確実だったが、正に帯電した部分と電子がどのようになっているのかが不明だったのだ。


トムソン自身は、正に帯電した塊(かたまり)の中に、電子が一様に散らばっているという「ブドウパン型モデル」を考えた。
これ以外には、長岡半太郎によって、正に帯電した塊(かたまり)が中央にあり、その周囲を電子がまわっているという「土星型モデル」も提案された。


結局、ラザファードが金属箔にα線を撃ち込む実験によって、「土星型モデル」が正しいことを突き止めた。
中央の正に帯電した塊は、現在では原子核と呼ばれている。


ところがここで大きな謎が立ちはだかる。
電子は電荷を帯びている。
電荷の移動は電流だ。


電子が円運動するのだから、電流が周期的に変化するので振動電流となる。
マックスウェルの理論では、振動する電流は電磁波を放出することになる。


電磁波の放出は、エネルギーが持ち去られることになるので、電子はその運動エネルギーを失い、やがて原子核に墜落することになる。
計算によると、電子の墜落までの時間は、1000億分の1秒くらいだ。


こうなると、ラザファードが発見した原子の姿が成り立たないのだ。
しかし、現実の原子ではこのようなことは起こっていない。


この謎は、ボーアの原子モデルによって解明された。
その前に、ボーアがヒントにしたバルマー系列について解説する。

■次のページ:バルマー系列

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2017/04/24



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