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位置ベクトル


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位置ベクトルの謎

位置を示す方法には二つある。
座標による表現と、位置ベクトルによる表現だ。



座標で位置を表現する方法は直感に合っている。
X座標、Y座標で場所を示せばいいだけだ。



これに位置をベクトルとして表現したものを位置ベクトルという。



この位置ベクトルに違和感を持つ人が少なからずいる。
「位置をベクトルで表現する」という感覚が、受け入れにくいのだ。 ここでは位置がなぜベクトルなのかについて説明しよう。



「大きさと方向をあわせ持つ量」をベクトルという。
速度がベクトルであることに疑問を持つ人はいないだろう。
物体が進んでいく方向がベクトルの方向を示している。

ベクトルという量の感覚と、速度のイメージはよく一致するのだ。



ところで、位置ベクトルとはなんだろう。
位置は座標内の一点であり、位置そのものが移動するわけではない。
移動しないのになぜベクトルなのだろう。
「場所はどこどこだ」という位置の意味が、ベクトルという量にマッチするとはイメージしにくい。



なぜ、動かない位置をベクトルで表現するのか?
この謎を解くためには、そもそもベクトルとは何なのかに立ち返る必要がある。
まず、一度、ベクトル本来の定義に戻って、そこから位置ベクトルの意味を考えてみよう。




ベクトルの定義を確認する

ここでもう一度、ベクトルの定義を振り返ってみよう。

ベクトルの定義:
大きさと方向をあわせ持つ量



この定義の中で語られる方向は単に「方向」としか言っていない
移動していく方向」とは言っていないのだ。
移動していなくても、何かの方向を示していれば、それはベクトルになるのだ。



ということは、位置ベクトルは、「移動していく方向を説明しているベクトルではない」ということができる。



では、位置ベクトルは何の方向を示しているのであろうか?
座標の指定する方向」を示しているのだ。
始点から見て、「その位置(座標)は、あっちの方向にありますよ」という意味を説明しているのだ。

余談

位置ベクトルは道案内に似ている。(苦しい比喩だが)
建築物には「△△町△△番地」といった住所がある。

建築物の所在を指し示すのに、住所という座標を使用する方法のほかに、道案内という手段もある。
道をたずねられたときに、「この通りをまっすぐ行って、3つめの信号の手前です」等と答える。
「まっすぐ行って」が方向、「3つめの信号の手前」が大きさに相当する。つまりベクトルなのだ。




「座標のある方向」ということで、方向は分かった。
では大きさはどうなのか?
大きさは始点と終点との座標の差を三平方の定理によって求めることができる。 √(X2+Y2)がその求め方だ。


ベクトルの定義「大きさと方向をあわせ持つ量」の中にある「方向」を「移動していく方向」とイメージしている人が多い。
おそらく、初めてベクトルを学んだとき、速度が代表例として示されるからであろう。
「移動していく方向」というイメージがあるため、位置ベクトルに対し受け入れにくい感覚を持ってしまうのだろう。




なぜ位置ベクトルを使うのか


くどいようだが、ベクトルの定義中の「方向」は「移動していく方向」に限定されない。
他の方向でもよいのだ。
例えば、力のモーメントは軸の方向を示している。



さて、位置をベクトルで示しても問題ないことは、ご理解いただけたことと思う。
しかし疑問がすべてクリアになったわけではない。
位置は座標で示せばそれで十分なのに、なぜわざわざベクトルを持ち出すのであろうか?



時間あたりの位置の変化を速度という。
つまり位置を時間で微分すると速度になるのだ。



速度がベクトルであることに異論はない。
微分されたものがベクトルであれば、微分する前のものもベクトルである必要がある。
だから位置も座標よりも、位置ベクトルで示したほうが、力学の解析をするのに都合がよいのだ。





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2005/07/12
2009/06/14

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位置ベクトル

位置ベクトルの謎

ベクトルの定義を確認する

なぜ位置ベクトルを使うのか




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