物理学解体新書

温度と熱

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温度と熱の違い

熱の出入りで温度が変化

ヤカンに水を入れ、火にかけるとやがて沸騰する。
炎の熱が水に流入し、水の温度が上昇したからだ。


今度は、火を止めこのヤカンを放置すると、自然に冷める。
水(湯)中の熱が大気中に流出したからだ。


このように、が流入すると温度が上昇し、流出すると温度は下がる。


高温の物体Aと、低温の物体Bがある。
ABを接触させると、Aの温度は下がりBの温度が上昇する。
AとBはやがて同じ温度に達する。
この状態を熱平衡という。


熱平衡に達するまでの間、Aから流出した熱と、Bに流入した熱は等しい。
(外部との熱の出入りはないと家庭して)
そして、熱は温度差があるときにだけ、高温側から低温側へ移動(流入・流出)するのだ。


熱と温度は混同しやすい。
「温度差によって物質から出入りするもの」が熱であり、「熱の出入りによって変化する物質の状態」が温度である。


後述するが、熱はエネルギーの一形態である。
物体が熱の形でエネルギーを受け取ると、その物体の温度が上昇する。
「熱」という語感は非常な高温を連想させるが、物理学においては「高温」とは限らない。


温度はもともと、寒暖・温冷の度合いの指標であった。
物質の内部のエネルギーの状態が寒暖・温冷として発現するのである。

温度と熱の関係

上記で、熱と温度をそれぞれ解説した。
熱と温度を結びつけているのが、比熱(正式には比熱容量)だ。
1[kg]の物質の温度を1[K]上昇させるために必要なエネルギー[J]で定義する。


一方で、1[mol]の物質の温度を1[K]上昇させるために必要なエネルギー[J]で定義した「モル熱容量」も利用されている。
モル熱容量は「分子熱」、または「原子熱」と呼ばれる場合もある。

次のページで温度、熱のそれぞれ単位について解説する。

■次のページ:温度の単位と熱の単位

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2006/09/13



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