物理学解体新書

原子核

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核力

正電荷を持つ陽子は、接近すると互いに電気的な力(クーロン力)で反発する。
中性子は電荷を帯びていないので、陽子と電気的に結びつかない。
また中性子同士も電気的に結合しない。



では、なぜこれら核子は原子核としてまとまっていられるのだろうか?
中性子や陽子を相互に結びつけ、原子核としてまとめあげる力が存在するからである。
このを核力という。
陽子間の電気的な反発力を乗り越えて陽子同士を結合させるのであるから核力は非常に強力だ。



電子が増えたり減ったりした状態の原子をイオンという。
電子が増減した結果、核内の陽子との電荷のバランスが等しくなくなるのでイオンは電荷を帯びている。



一方、陽子の数が増減してイオンになる話は聞いたことがない。
陽子は核力によりガッチリと原子核内に閉じこめられており、その力は電子が原子核に拘束される力の比ではない。
このことからも核力がいかに強力か理解できよう。



しかし、核力は非常に強力である一方で、作用する範囲は非常に狭い。
核力の作用する範囲を超えたサイズの原子核は存在できない。



原子番号が100を超える原子は非常に不安定であること、原子番号が120を超えるような原子は人工的にもなかなかできないなどはこの理由だ。

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2005/06/18



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