物理学解体新書

円周率の求め方

HOMEピンポイント解説>円周率の求め方

多角形による円周率の近似

正多角形の角の数を増やしていくと、形が円に近付いていく。
次の図では、角の数を6から24に増やすだけで、かなり円に近付くことがわかる。

多角形による円周率の近似
このとき、正多角形の辺の長さの合計値も、円周の長さに近づくことになる。


ここでは、正多角形の辺の長さの合計値から、円周の長さを近似で求めてみよう。


正多角形の角の数をn、一つの辺の長さをsとすると、正多角形の辺の長さの合計値Lはnsとなる。
多角形による円周率の近似

nが大きくなれば(正多角形の角の数が増えれば)、一辺が短くなるのでsは小さくなる。 その結果、Lが円周の長さに近づいていくのだ。


ここでは、n=3、つまり正三角形で考えてみよう。
半径rの円に正三角形abcを内接させる。
多角形による円周率の近似

中心oと頂点bの線分obの距離は、半径と同じrだ。
oから線分cbに垂線を引き交点をdとすると、bdの大きさはsの半分になる。
多角形による円周率の近似

この関係は表す式は次のようになる。
\[ \frac{ 1 }{ 2 }s=r\sin \theta \] \(\theta\)は、1周360度(2\(\pi\))を、角の数n(この場合はn=3)で割った値の、さらに半分だ。
従って\(\theta\)は次の式で表現することができる。
\[ \theta=\frac{ 1 }{ 2 }\frac{ 1 }{ n }2\pi \] これを代入すると、
\[ s=2r\sin \frac{ 1 }{ n }\pi \] となる。

正多角形の辺の長さの合計値Lは角の数nと一辺の長さsの積であった。
従って、Lは以下の式となる。
\[ L=2nr\sin \frac{ 1 }{ n }\pi \]


一方、円の直径2rであるから、nが大きな値のとき、L/2rが円周率に近似されることになる。
\[ \frac{ L }{ 2r }=n\sin \frac{ 1 }{ n }\pi \]


実際にnに数字を入れた結果が以下の表だ。

正n角形円周率の近似値(L/2r)
32.598076
42.828427
52.938926
63.000000
73.037186
83.061467
93.078181
103.090170
113.099058
123.105829
133.111104
143.115293
153.118675
163.121445
173.123742
183.125667
193.127297
203.128689
213.129888
223.130926
233.131833
243.132629
253.133331

角の数が増えるにつれ、より実際の円周率に近い値となっていく。
さらにnの数を増やした下表を見ると、正2000角形あたりから、小数点以下5桁まで近似されていることが分かる。

正n角形円周率の近似値(L/2r)
1003.1410759
5003.1415720
10003.1415875
20003.1415914
100003.1415926

■最初のページ:ピンポイント解説:目次

このページのTOPへ



スポンサーリンク

2016/10/01



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト