物理学解体新書

ネイピア数

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ネイピア数の意味

ネイピア数とは

自然対数の底をネイピア数といい、で\(e\) で表す。
ネイピア数は循環せずに無限に続く小数である。つまりネイピア数は無理数なのだ。
\[ e = 2.718281828459045 \cdots \]



ネイピア数の定義

\(y = a^x\)のグラフのy切片は、\(a\)の値によらず必ず1になる。
どんな数でも0乗は1だからだ。

一方でy切片での接線の傾き(\(x=0\)での接線の傾き)は、aの値によって異なる。

例えば、\(y = 2^x\)のグラフのy切片での接線の傾きは約0.693であるが、\(y = 3^x\)のグラフでは約1.099となる。

ay切片y切片での接線の傾き
210.69314718056
311.09861228867

y切片での接線の傾きを見ると、\(a=2\)のとき1より小さく、\(a=3\)のときは1より大きい。
これは、y切片での接線の傾きが1になる数が、aが2〜3の間のどこかに存在することを示している。

調べてみると、\(a=2.7182 \cdots\)のとき、y切片での接線の傾きが1となることが分かった。
この数\(a=2.7182 \cdots\)がネイピア数\(e\)だ。

ネイピア数とは、\(y = a^x\)のグラフで\(x=0\)での接線の傾きが1となるaの値である。

\(a=e\)のときy切片での接線の傾きが1となるのである。

ay切片y切片での接線の傾き
210.69314718056
e11
311.09861228867

\(y = e^x\)のグラフで\(x=0\)での接線の傾きが1となることが分かった。
ここで接線の傾きを導く式を思い出そう。
\[ \lim_{ h \to 0 }\frac{ f(x+h)-f(x)}{ h } \]

これを、\(f(x)=e^x \)に適用する。 \[ \lim_{ h \to 0 }\frac{ e^{x+h}-e^x}{ h } \]


さらに、\(x=0\)を代入すると接線の傾きは次式となる。 \[ \lim_{ h \to 0 }\frac{ e^{0+h}-e^0}{ h }=1 \]


これに\(e^0=1\)を反映した次式が、ネイピア数の定義となる。 \[ \lim_{ h \to 0 }\frac{ e^{h}-1}{ h }=1 \]

ネイピア数とは、\(y = a^x\)のグラフで\(x=0\)での接線の傾きが1となるaの値として定義されたのである。

次のページでは、ネイピア数\(e\)を底とする指数関数\(y=e^x\)は微分しても、\(y=e^x\)のまま形が変化しないことを説明する。

■次のページ:ネイピア数と微分

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2016/10/09



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