物理学解体新書

コラム

HOMEコラム>113番元素

113番元素

元素を番号順に並べて配置した表を周期表という。
化学の教科書には必ず周期表が記載されている。
これには、1番水素、2番ヘリウム、3番リチウムと続き、109番位までの元素が書かれている。


番号が大きいほど、元素のサイズが大きくなる。
サイズが大きい元素は、みな不安定である。
大きいと、自分の大きさを支えることができないので、ある期間で壊れてしまう。
壊れるときに出るのが放射線だ。


元素には、天然に存在するものと、人工的な核反応によって生成されるものの二つがある。
番号が大きい元素は不安定だから、元々天然には存在しない。
天然に存在する元素のうち、最も大きいものは92番のウラン、93番より大きいものはすべて人工元素である。
なお、92番より小さい元素の中にも人工元素がある。


人工元素は、発見者や命名、発見事実の認定で争いが起きやすい。
もめた場合、10年以上も長引くことがある。
そのため、周期表ごとに記載されている最大の原子番号が異なる場合が多い。
文部科学省が配布している周期表には113番まで記載されている。
(2005年10月15日現在)


世の中には、無数の物質が存在する。
その種類は、数千万から数億だろう。もっとかも知れない。
これだけ多くの種類の物質がありながら、これらはすべて100種類にも満たない天然元素の組み合わせで成り立っている。
たった26文字のアルファベットの組み合わせで、無限に多くの文章が作られることと同様だ。


1789年に92番元素が発見された。
その少し前(1781年)に発見された天王星(ウラノス)にちなんで、92番元素はウランと命名された。


これがきっかけとなり、93番元素、94番元素は発見される都度、新惑星の名前にあやかって命名されることになった。

92番ウラン天王星(ウラノス)
93番ネプツニウム海王星(ネプチューン)
94番プルトニウム冥王星(プルート)





みな、核兵器や原子炉でおなじみの元素ばかりだ。


2004年、日本の理化学研究所 が113番元素を発見(合成)し、名称「ジャポニウム」「リケニウム」等を提案した。 日本が発見した初めての元素である。
この発見に異論をはさむ海外の勢力もある。


この元素が、10年後の周期表にどのように記載されるのか、確かなことは まだ分からない。
しかし、平和利用される元素であって欲しい ということだけは、確かだ。

■次のテーマ:古代湖

このページのTOPへ



スポンサーリンク

2005/10/15



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト



スポンサーリンク

Amazon.co.jpアソシエイト