物理学解体新書

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半導体

小学校の理科の教科書を見ると、「電気を流すもの」「流さないもの」を説明している。
実習課題を見ると、「身の回りのものを色々調べて、電気を流すものと流さないものに分けましょう」とある。
身の回りのものとは、例えば消しゴムや針金、紙、プラスチックが列挙されている。
これらを、豆電球の回路に繋げて、電球が点灯する・しないで分類しようというわけだ。


電気の流れやすさで考えると、物質は次のように分けることができる。

電気を良く通す導体
電気をまったく通さない絶縁体
電気を適度に通す半導体


つまり、小学校の理科では、導体、絶縁体を扱うが、半導体は教えないということだ。
電気を流す・流さないで分類するには、豆電球を使用した回路で十分であるが、「適度に流す」半導体を見出すには難しい。
第一、身の回りの素材で半導体が見当たらない。
半導体製品は良く見かけるが、日常で半導体そのものを見ることはない。


導体は、電気を通したい用途で使用する。例えば電線などだ。
絶縁体は、電気を遮りたい目的で利用する。例えばコンセントのカバーがこれにあたる。
電気を通すか通さないかで、用途は明確なのだ。


電気を適度に流す用途は、ちょっと思いつかない。
中途半端な方が、使い出がある用途などあるのだろうか?
それが情報機器なのである。
半導体は、情報を扱う目的で使用する。
PCや携帯電話などが半導体製品と呼ばれる理由がこれである。


例えば、土の成分はケイ素である。
ケイ素は半導体の主要成分であるが、土そのものは半導体でない。
半導体は工業的な手法によって、生産される。
豆電球の回路での実験に使用する半導体は、身の回りにはないのだ。

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2005/10/11



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