物理学解体新書

イオン結合

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イオン結合

イオン結合とは

塩化ナトリウムNaClはNa+とCl-がクーロン力で引き合い結合した化合物である。
このように、マイナスイオンとプラスイオンが、クーロン力で結合した化学結合をイオン結合という。


Naはイオン化エネルギーが小さい(陽イオンになりやすい)。そのため電子1個を放出してNa+になりやすい。
一方でClは電気親和力が大きいのでCl-になりやすい。


このような性質を持つ、NaとClが互いに接近すると、Na原子から電子1個が離れてClに移り、それぞれNa+とCl-になる。
NaとClはそれぞれ、イオンではなく中性の原子であったが、接近することによって双方がイオンになり、クーロン力で結合するのである。


ある元素と元素がイオン結合するかどうかは、それぞれの元素がイオンになりやすいか、なりにくいかで決まる。
イオンに「なりやすい・なりにくい」の指標は、以下の二つがある。

指標意味解釈測定の難易度
イオン化エネルギー電子を取り去るときに必要なエネルギー大きいほど陽イオンになりにくい簡単
電気親和力電子を取り入れるときに放出するエネルギー大きいほど陰イオンになりやすい困難

イオン化エネルギー

中性の原子から電子を取り出すときに必要となるエネルギーをイオン化エネルギーという。
特に複数の電子を取り去る場合、一個目の電子を取り去るのに必要なエネルギーを第一イオン化エネルギーという。
二個目の電子を取り去る場合は第二イオン化エネルギー、三個目の電子は、第三イオン化エネルギーという。


イオン化エネルギーはプラスイオン(陽イオン)になりにくさの程度を示している。


同族の原子を相互に比較すると、原子番号の大きい原子ほどイオン化エネルギーは小さい。
つまり、周期表で下の元素ほどプラスイオン(陽イオン)になりやすいということだ。
周期表では下の元素ほど原子核と最外殻の距離が大きくなる。
このため、電子が離脱しやすくなるからである。


同周期の原子を相互に比較すると、原子番号の大きい原子ほどイオン化エネルギーは大きい。
これは、周期表で右の元素ほどプラスイオン(陽イオン)になりにくいことを意味している。
同周期では、右側の元素ほど原子番号(陽子の数)が大きいため、核の電荷が大きくなる。
このためクーロン力が大きくなるのだ。




電気親和力

原子が電子を取り込むときに放出するエネルギーを電気親和力という。
電子を取り込んで、大きなエネルギーが放出されるということは、電子を取り込んだ原子がより安定するということを意味している。


例えば、F、Cl、Brは、最外殻の電子数が閉殻に対して1個足りない。
もし、外部から電子1個を調達できれば、閉殻となって安定するのだ。
電子を外部から調達すれば、それはマイナスの電荷を帯びてイオンになる。
つまり、より大きなエネルギーを放出して安定する原子ほど、マイナスイオンになりやすいということなのだ。


電気親和力の測定は技術的に難しい。
同一の元素であっても、報告者によってその値は一定していない。
一方でイオン化エネルギーの測定技術は、高い精度で確立されている。

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2007/06/21



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