物理学解体新書

磁気の単位

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磁気の単位の解説

磁荷(磁気量)の単位

電気力線の源を電荷というように、磁力線の源を磁荷(または磁気量)という。
磁荷の単位はWb(ウェーバー)である。
Wb(ウェーバー)は同時に磁束の単位でもある。

Wb(ウェーバー)は、電荷の単位C(クーロン)に対応する。
Wbという名称は、ドイツの物理学者ウェーバーに由来する。
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磁束Φの単位

磁力線を束ねたものを磁束という。
1[Wb]の磁荷からは、1本の磁束が放出される。
つまり、磁荷の大きさと磁束の本数は一致するのだ。

そこで、磁束の単位は[本]ではなく[Wb]を用いる。

磁束は、電荷から放出される電束に対応する。



磁場の強さHの単位

単位の磁荷(または磁気量)が磁場から受ける力を「磁場の強さ」といいHで表す。
これは、電場の強さEに相当する。

電流が流れると、その周囲に磁場が発生する。
このときの磁力線は、電流をリング状に取り囲む。

磁場Hと円周長lの積は電流Iに比例する。これがアンペールの法則だ。
比例定数を1とすれば、磁場Hは電流Iを円周長lで割ったものとして表現できる。
このため、磁場の強さの単位はアンペアをメートルで割った[A/m]となる。

磁気現象を説明するために磁力線が考えられた。 磁力線は実在しないが、存在を仮定することによって磁気現象を合理的に解釈するこのができる。 単位面積あたりの磁力線の本数は、その場所の磁場の強さHに等しいと決められている。

SI単位に、磁場の強さを示す組立単位はないが、cgs単位にはOe(エルステッド)がある。



磁束密度Bの単位

磁力線を束ねたものを磁束という。
1[Wb]の磁荷からは、1本の磁束が放出される。
単位面積あたりの磁束の本数を磁束密度といいBで表現する。

磁荷の大きさと磁束の本数は一致するので、磁束の単位は[本]ではなく[Wb]を用いる。
[Wb]を面積で割るから、磁束密度の単位は[Wb/m2]であるが、SI単位の組立て単位としてT(テスラ)が与えられている。

磁束密度Bは、電束密度Dに対応する。




自己インダクタンスLの単位

自己インダクタンスの単位はヘンリー[H]だ。
1秒間に1[A]の割合で電流が変化し、1[V]の誘導起電力が生じた場合、そのときの自己インダクタンスが1[H]だ。

自己インダクタンスLも相互インダクタンスMも単位は同じH(ヘンリーである)




相互インダクタンスMの単位

相互インダクタンスの単位はヘンリー[H]だ。
1秒間に1[A]の割合で電流が変化し、1[V]の誘導起電力が生じた場合、そのときの相互インダクタンスが1[H]だ。

自己インダクタンスLも相互インダクタンスMも単位は同じH(ヘンリーである)



透磁率μの単位

透磁率μは、誘電率εに対応する。
磁束の本数と磁力線の本数の比率が透磁率μである。

単位面積あたり磁束の本数が磁束密度Bである。
また、磁場の強Hさは単位面積あたり磁力線の本数と等しい。
磁力線を束ねたものが磁束なので、何本で束ねたかが、透磁率μなのだ。

磁束は物質によって変らないが、磁場の強Hさは物質の性質によって異なる。
つまり、透磁率μは物質によって異なるのだ。

ある磁性体中で磁束密度が1[T]、磁場が1[A/m]のとき、透磁率は1[H/m]となる。



磁気モーメント

磁気モーメントは磁石の強さを表す単位である。
磁石は必ず、S極・N極がペアになっている。

両極間の距離[m]と一方の極の磁荷の大きさ[Wb]の積が磁気モーメントである。
従って、磁気モーメントの単位は「Wb・m」となる。




磁化

磁化は単位体積あたりの磁気モーメントである。
磁化の単位はWb/m2である。

「単位体積あたりの」であるのに、「m2」で割っているので混乱しやすい。
「Wb・m」を「m3」で割るから、Wb/m2となる。



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2008/01/06



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