物理学解体新書

光量子仮説

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光量子仮説とは

光電効果の謎

19世紀の初め頃、ヤングの実験によって、光が波であることが判明した。
光の干渉や回折は、光が波であるからこそ発生する現象なのである。


ところが光電効果が発見されると、なぜ波であるはずの光が光電効果を起こすのかが謎となった。
光電効果は光によって起こるが、波の性質からは光電効果の原因が説明できないからである。


ここでアインシュタインが登場する。
アインシュタインは、光は波であるが、同時に粒子でもあると考えた。


そして、光が波として振る舞うときに干渉や回折が起こり、光が粒子としての性質が現れるとき光電効果が起こると主張した。
これを光量子仮説という。


当時のアインシュタインはまったくの無名であったが、光電効果を解き明かす光量子仮説によって、後にノーベル賞を受賞することになる。


光量子仮説

アインシュタインが光電効果の謎を解くにあたって、ヒントを得たのがプランクの量子仮説であった。
量子仮説では、光のエネルギーは不連続であり、振動数\(\nu\)とプランク定数\(h\)の積\(\nu h\)の整数倍の値になると考える。


アインシュタインはこの考えをさらに進め、振動数\(\nu\)の光は、\(\nu h\)の運動エネルギーを持つ粒子でもあると考え、光量子仮説とした。
光量子とは、粒子としての光を示す言葉である。


振動数\(\nu\)の光は、\(\nu h\)の運動エネルギーを持つ光量子が光速で飛んでいるのと等価なのだ。


一粒の光量子の運動エネルギー\(E\)は\(\nu h\)である。これは次式のように示される。
\[ E=\nu h \]


光量子仮説によると、強い光は光量子のエネルギーが高いのではなく、光量子の数が多いのだ。


光量子仮説と光電効果

光量子仮説によると光電効果は、光の波が金属に当たるのではなく、光量子の一つが電子の一つに衝突し、電子を金属の外へ弾き飛ばすのだ。
光の振動数が小さければ光量子のエネルギーは小さい、この場合電子を金属の外へ弾き飛ばすことができない。


だから振動数の小さい光では、光電効果が起きないのだ。


光を強めれば、衝突する光量子の数が増える。
このため、光電子が増えるのである。


光が粒子としての性質を現わす場面は他にもある。
それがコンプトン効果だ。
次ページではコンプトン効果について解説する。

■次のページ:コンプトン効果

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2017/04/16



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