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進化から見た記憶のヒント

記憶を苦手とする人が多い。
これは当然だ。
人間の脳はなるべく覚えないようにできているからだ。


人間も生物である。 厳しい生存競争を経て今日まで進化してきたのだ。
仮に、見たもの、聞いたものをすべて記憶できてしまうと生き残ることができない。
「生きていくのに大事なこと」が脳の中で「大事でない情報」に埋もれてしまい、危機に望んで生き残りに必要な情報が混乱してしまうからである。


一方、大事なことは確実に覚えられた方が生存が有利になる。
だから、人間の脳は数百万年かかって「大事なこと」以外なるべく覚えないように進化したのだ。
生存にとって大事なことは反復されることが多い。
脳は繰り返される出来事を、記憶として受け入れるようなっているのだ。


英単語や歴史上の事件名などは、生物としての人間の生存に無関係なので、脳はこれらのマル暗記を苦手とする。
しかし、これらも何度も繰り返されると、脳は大事なこととみなして記憶する。
反復を継続するうちに、やがて暗唱できる理由がこれである。


テキストの音読を繰り返し、その録音を聞きながら、同じ内容をノートに書くなどすると、五感をフルに動員しての 繰り返しになるので、その記憶への効果は大きい。


「自分は頭が悪いので記憶できない」と言う人が時々いる。
頭が悪いのではない。
繰り返しが不足しているだけなのだ。


記憶はレム睡眠を経て定着する。
1日で10回反復するより、1日2回ずつ5日間にわたって繰り返す方がよく記憶できるということを意味する。
一日だけ繰り返したところで、脳は「生存にとって重要」とは認識しないからだ。
試験の前日に寝ないで勉強しても、それは脳の進化から見て理にかなっていない。

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2005/09/23



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